1. 温水を浴び始めて3分で突然冷水に変わる恐怖
「タイやベトナムは常夏だから、シャワーなんて水でも平気だよ」と甘く見ていると、痛い目を見ます。東南アジアでも12月〜2月は朝晩冷え込みますし、日中のスコールで濡れた直後や、エアコンがキンキンに冷えたホテルの部屋では、温かいシャワーが必須です。
しかし、いざシャワーを浴びて最高の気分になっていると、開始わずか3分で突然「冷たい水」に変わることがあります。頭にはシャンプーの泡がこんもり。待てど暮らせどお湯は出ず、震えながら水でアタマをすすぐ……。LCCで安宿を渡り歩くバックパッカーなら誰もが経験する「水シャワー地獄」です。
2. なぜお湯が出ない?「お湯切れ」と「電力不足」の構造
海外の格安ホテルの給湯設備は、日本のようにセントラル給湯(いつでもどこでもお湯が出る)ではないことがほとんどです。
① タンク式(貯湯式)の罠
客室の天井裏などに20〜30リットル程度の小さな給湯タンクがあり、そこにお湯を貯めておくタイプ。連続して使うと15分でお湯が尽きます。ダブルルームで「前の人がじっくりシャワーを浴びた直後」に入ると、あなたに回ってくるのは完全に冷水です。次のお湯が沸くまでに1〜2時間待たなければなりません。
② 即席加熱式(インラインヒーター)の罠
シャワーヘッドの根本に小さな機械がついており、水が通過する瞬間に電気で温めるタイプ。これは「圧倒的な電力不足」により、チョロチョロの弱い水量にしないと「ぬるま湯」にすらならず、ある程度水圧を上げると全く温まらないというジレンマを抱えています。
"疲れ切って夜中にチェックイン。シャワーを浴び始めましたが、水圧がチョロチョロの『点滴』レベル。どうにか髪を濡らしてシャンプーをつけた途端、水になりました。寒さに震えながら10分待ちましたがお湯は出ず、仕方なく水で流すも水圧が弱すぎて泡が全く落ちません。結局タオルで泡を拭き取りベタベタのまま就寝。翌日見事に高熱を出してダウンし、予定していたアユタヤ遺跡ツアーをパーにしました。"
3. 修行のような水圧。シャンプーの泡が落ちない
お湯の温度と並んで絶望的なのが「水圧」です。
日本人の感覚での「弱」が、海外の「強」です。特にヨーロッパの古い建物(イタリアやフランスのプチホテル)や、東南アジアの5階建て以上のゲストハウスの上層階では、重力に逆らえないため水圧が絶望的に低くなります。「ジョロジョロ」というより「ポタポタ…」に近い状態のシャワーで、長い髪の女性であれば泡を流し切るのに30分以上かかることもあります。
4. 全裸になる前に絶対やれ!入室直後の「耐久テスト」
格安ホテルにチェックインしたら、ベッドにダイブする前に必ずやるべき『シャワーの耐久テスト』があります。
① お湯を全開にして5分間出しっぱなしにする
すぐにお湯が出ても安心せず、そのまま5分放置してください。5分後も熱いままなら合格。途中で水に変わる、あるいは最初から冷たいままなら、服を脱ぐ前にフロントに電話して「お湯が出ない(No hot water)」と即座に部屋の交換を要求してください。
② 手のひらをかざして水圧をチェックする
水圧が「泡を素早く流せるレベルか」を手のひらへの刺激で確認します。
深夜で部屋の交換もできない、水圧も温度も「詰んだ」状態になった時のサバイバルハックがあります。
客室にあるお茶用の「電気ケトル(ポット)」で熱湯を沸かします。部屋のゴミ箱に新品のゴミ袋(スーパーの袋でも可)を被せて簡易バケツを作り、熱湯を注ぎます。そこに冷水シャワーを足して、適度な温度の「ぬるま湯バケツ」を錬成します。手桶がなければ、ペットボトルを半分に切ってスコップ代わりにし、体を拭きながら少しずつお湯をかける「行水(ぎょうずい)」スタイルで乗り切ります。インドやネパールの安宿ではこれが基本の入浴法です。