1円の航空券も「譲渡」は犯罪?LCCチケットの転売が絶対に不可能な理由

LCC 航空券 転売 名義貸し リスク 禁止 本人確認 解説

「行けなくなったから、代わりに誰か行っていいよ」。新幹線の切符やライブのチケットと同じ感覚で、LCCの航空券を友人に譲ったり、オークションサイトで売買しようとしているなら、今すぐ止めるべきです。LCCの航空券は「記名式」であり、予約された本人以外が搭乗することは会員規約で厳格に禁止されています。もし偽って搭乗しようとすれば、ゲートで拒否されるだけでなく、最悪の場合は公文書偽造や詐欺罪に問われる可能性すらあります。2026年、なぜ航空会社がここまで執拗に本人確認を行い、転売を許さないのか。その裏側にある安全保障とビジネスの論理を解説します。

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1. なぜ「バレる」のか

「チェックイン機の無人化が進んでいるからバレないだろう」と考えるのは甘いです。搭乗口(ゲート)では、必ずパスポートと航空券をセットで提示させ、係員が名前を目視、あるいは機械で照合します。特に国際線では不一致=テロ対策・密航対策として重大な警報が鳴ります。「藤田」さんが予約したチケットを「佐藤」さんが持って通ることは物理的に不可能です。

2. ブラックリスト(永久追放)の恐怖

【航空会社の罰則】
名義貸しや不正な譲渡が発覚した場合、航空会社はその予約を即座に無効化し、運賃は1円も返金しません。さらに深刻なのは、譲渡した側・された側の双方を「ブラックリスト」に登録することです。これにより、今後二度とその航空会社のチケットを買うことができなくなり、関連するグループ会社のフライトからも拒絶されることになります。

3. 個人間売買のチケットは「ただの紙」

SNS等で「安く譲ります」と売られているeチケットは、Photoshop等で名前を書き換えただけの偽造品である可能性が極めて高いです。たとえ本物であっても、元の購入者がクレジットカードの決済をキャンセルすれば、その航空券は無効化されます。見知らぬ人から航空券を買う行為は、「お金を捨てて空港で恥をかく」だけの行為だと心得ましょう。

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著者:航空ジャーナリスト 浩二

航空業界の裏側を30年取材し続ける社会派ジャーナリスト。テロ対策や不法入国、そして航空会社の収益モデルに詳しく、不正搭乗がいかに業界全体に損害を与えるかを説く。趣味は各国のスカイマーシャル(航空保安官)の活動レポートを読むこと。