1. 「飲んでないのに」うがいだけで襲われる激しい腹痛
海外旅行に出発する前、「現地の生水(道水)は絶対に飲んではいけない」と誰もが耳にします。そのため、多くの人はミネラルウォーターを購入し、レストランでも氷抜きの飲み物を注文するなど、飲む水には細心の注意を払います。
しかし、ホテルの洗面台で歯を磨く時、無意識のうちに蛇口をひねり、その水道水で口をゆすいでしまっていませんか?
世界中の発展途上国(インド、東南アジアの一部、アフリカ、中南米など)では、「たった一口、歯磨きのために口に含んで吐き出した水道水」が原因で、翌日身動きが取れないほどの激しい下痢や嘔吐(食中毒・旅行者下痢症)に見舞われるケースが後を絶ちません。
2. 水道水に潜むもの:大腸菌から寄生虫まで
日本の水道水は世界トップレベルの厳しい水質基準をクリアしており、そのまま飲用可能です。しかし海外では事情が全く異なります。
① 浄水システムと老朽化した配管
浄水場を出た時点では綺麗であっても、ホテルまでの配管が錆び付いていたり、亀裂から泥水や下水が混入していることが多々あります。また、ホテルの屋上にある貯水タンクに鳩のフンやネズミの死骸が入っているという都市伝説のような話も、途上国では現実です。
② 「沸かせば大丈夫」の嘘
大腸菌やサルモネラ菌などの一般的な細菌は煮沸で死滅しますが、一部の寄生虫(クリプトスポリジウムやアメーバ赤痢)は強力な殻に覆われており、ホテルのケトルで数分間沸騰させた程度では死なないことがあります。これらの寄生虫に感染すると、血便や長期間にわたる重篤な症状を引き起こします。
"インドでは生水は死を意味すると聞いていたので、飲む水は全て未開封のペットボトルにしていました。しかし、ガンジス川近くの安宿で、夜寝る前に無意識に洗面所の水道水で歯磨きのうがいをしてしまったのです。『しまった』と思いましたが吐き出したから大丈夫だろうと就寝。翌朝、強烈な吐き気と腹痛で目を覚まし、そこから3日間、水のような下痢が止まらずベッドから一歩も動けませんでした。貴重な旅行の半分をトイレで過ごすことになりました。"
3. シャワー中も口を閉じて!見落としがちな落とし穴
歯磨き以外にも、ホテルの客室内には「水に関するトラップ」が潜んでいます。
・シャワー中の口開け: シャワーを浴びている最中、顔にジャバジャバとお湯をかけながら無意識に口を開けていませんか?その微量の水滴でも、免疫力のない日本人には十分なダメージになります。
・洗顔後の唇: 洗面所の水道水で顔を洗った後、唇についた水をペロッと舐めてしまう行為も非常に危険です。顔を拭くまでは口を固く結んでください。
・コンタクトレンズの洗浄: 絶対に水道水で洗ってはいけません。水中のアカントアメーバがレンズに付着し、角膜を食い破られて失明するリスクがあります(世界各国で報告例あり)。
4. ミネラルウォーター徹底!安全な水の使い方
水質に不安のある国での絶対的なルールは「口に入る水分は、全て未開封のミネラルウォーターにする」ことです。
ホテルにチェックインしたら、まず洗面台の横に買ってきたペットボトルの水を1本スタンバイさせます。歯ブラシを濡らすのも、口をゆすぐのも、全てそのペットボトルの水を使います。徹底する人は、歯磨き専用に安いローカルブランドの水を大量購入して洗面所に積み上げておくほどです。
また、レストランで出される「無料の水」や、飲み物に入っている「氷(水道水で作られていることが多い)」も絶対に避けるのがLCCトラベラーの鉄則です。
秘境やインフラが整っていない地域に行くプロのバックパッカーが必ず持っているのが「ストロー型の携帯浄水器(SAWYER MiniやLifeStrawなど)」です。
数千円で買える手のひらサイズの浄水器ですが、そのフィルター性能は凄まじく、水中のバクテリアや寄生虫の99.9999%を除去します。「最悪、ホテルの水道水や川の水をこれでチューチュー吸えば生き延びられる」という究極の安心感をもたらす、最強のサバイバルギアです。防災グッズとしても非常に優秀です。