1. あなたのパスポート情報が、闇サイトで売買されている現実
海外のホテルにチェックインする際、必ずと言っていいほど「パスポートを提示してください」と言われ、フロントスタッフが奥の事務所に持って行き、コピー機でコピーを取りますよね。これはどの国でも法律や警察の指導で決められているため、避けることはできません。
しかし、その「コピーされたパスポート情報」がその後どう扱われているか、気にしたことはありますか?
特に東南アジアや中南米などの発展途上国にある安宿や中級ホテルにおいて、旅行者のパスポートコピーが裏社会に横流しされ、「身分証明書」として闇サイトで売買されているという恐ろしい現実があります。
2. なぜホテルから漏洩するのか?杜撰な管理と小遣い稼ぎ
高級外資系ホテルであれば、コピーしたデータは厳重なセキュリティシステムに保管され、一定期間後に破棄されます。しかし、格安ホテルやゲストハウスでは状況が全く異なります。
① フロントスタッフによる意図的な売却
月給が数万円程度の現地スタッフにとって、先進国(特に日本国パスポートは世界最強レベルの信用度がある)のパスポートコピーは良い小遣い稼ぎのタネになります。スマホでコッソリ撮影して、ブローカーに横流しするのです。
② コピー機のハードディスクにデータが残存
ホテルが中古でコピー機を売却した際、内部のハードディスクに「過去数千人分の旅行者のパスポート画像データ」がそのまま残っており、そこから大量流出するケースも多発しています。
"バンコクの格安ホテルに1週間滞在して帰国した数ヶ月後、突然警察から電話がかかってきました。「あなたの名義で開設された海外の暗号資産(仮想通貨)口座が、マネーロンダリングに使われている」と。心当たりを探ると、あのホテルでパスポートをコピーされたこと以外、情報漏洩のルートがありませんでした。無実を証明するのに数ヶ月もの時間と多大なストレスがかかりました。"
3. 悪用されるとどうなる?勝手に口座を作られる恐怖
日本のパスポート画像(顔写真、パスポート番号、生年月日、署名)が犯罪者の手に渡ると、以下のような悪用リスクがあります。
・海外での銀行口座・仮想通貨口座の不正開設
・飛ばし携帯(犯罪用の使い捨てSIMカード)の契約
・なりすましによるSNSアカウントの作成や詐欺の身分証提示
つまり、あなたが「知らない間に、国際的な詐欺グループの一員(名義人)にされている」可能性があるのです。
4. 絶対にコピーを悪用させないための物理的防御策
ホテルに「パスポートをコピーさせない」ことは不可能です。しかし、「コピーした紙やデータが、ホテル以外の場所では全く使い物にならない無効な状態にする」ことは可能です。
① スタッフがコピーするのを監視する
「コピーを取ってきます」と裏に持って行かせないでください。
"Please copy it here in front of me."(ここで、私の目の前でコピーしてください)と要求し、スマホで余計な撮影をされていないか監視します。
② 自分で事前にコピーを用意して渡す
日本を出発する前に自分のパスポートを白黒コピーしておき、チェックイン時に「Here is my copy.(これが私のコピーです)」と渡せば、裏に持って行かれるリスクを回避できます。
ホテルにコピーされた直後、スタッフがバインダーに綴じる前に「Wait(待って)」と声をかけ、コピーされた紙の 自分の顔写真やパスポート番号に被さるように、ボールペンで大きく真っ赤な字で『HOTEL USE ONLY [ホテル名] [日付]』と書き込んでください。
または、事前にスマホの画像編集アプリで「FOR HOTEL CHECK-IN ONLY」という半透明の文字(透かし・ウォーターマーク)を顔写真の上に大きく被せた状態で印刷したコピーを持参しましょう。
この文字が入っていれば、犯罪者はその画像を「銀行等の口座開設用の身分証」として提出することができず、ただのゴミクズ同然の情報になります。これが旅のプロの常識的な防衛策です。